奨学金が緊急で必要になったときは?~困ったときに申請できる奨学金制度をご紹介~

calendar_today 2021-09-21 update 2022-07-05
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「大学在学中に親が亡くなってしまった」「実家が震災に遭い、仕送りをしてもらえる状況ではなくなった」といった不測の事態が起こってしまうことがあります。

また最近では新型コロナウイルスの影響によって、「アルバイトができず収入が激減した」というケースも珍しくはないでしょう。

これらの事態が起きてしまうと、学費の支払いも困難になるため、将来に不安を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こちらの記事では、不測の事態によって学費の支払いが難しくなった方へ向けて、「生計維持者が不遇に見舞われて奨学金が必要になったとき」「コロナ禍の影響で奨学金が必要になったとき」の2つのコンテンツに分けて、対応方法をまとめました。参考にして頂くことで、お役に立てれば幸いです。

生計維持者が不遇に見舞われて奨学金が必要になったとき

生計を維持している保護者の方が突然の出来事によって収入が担保できなくなってしまったときに備えて、日本学生支援機構では奨学金を貸与または給付をしてくれるケースがあります。

奨学金を貸与または給付してもらうためには、「生計維持者が失職・病気・死亡・破産・事故・被災などによって家計事情が変わったことにより、奨学金が必要になってしまったこと。また学校の廃止によって転学をしたために、必要な費用が増加し奨学金が必要になったこと。」という条件を満たしている必要があります。

条件を満たしていれば、すぐに各大学の窓口で奨学金の申請をしましょう。申請は随時受付をしています。

生計維持者が不遇の事態に見舞われてしまった場合には、「給付型奨学金」もしくは「貸与型の奨学金」を利用することができます。以下でそれぞれの奨学金について詳しく見ていきましょう。

【給付奨学金】

給付型奨学金とは、返還不要の奨学金のことです。お得であるため一番初めに検討すべき奨学金でしょう。しかし返還不要となるため、給付してもらうためのハードルは高めとなります。給付奨学金を得るには「学力基準」「家計基準」をクリアしている必要があります。

学力基準(1~3のいずれかを満たす必要あり)

■大学一年次

1 入試の成績が、入学者の上位1/2に入っていること。もしくは高校の評定平均が3.5以上であること。

2 高校卒業の認定試験の合格者

3 社会での自立・活躍を見据えて学修計画書によって、学修意欲を有していると評価されていること。

■大学二年次以降(1もしくは2を満たす必要あり)

1.GPAが学部の上位1/2に入っていること

2.標準単位数以上の単位を修得しており、社会での自立・活躍を見据えて学修計画書によって、学修意欲を有していると評価されていること

家計基準について

家計基準は、厳密にいうと「資産基準」「収入基準」の2つに分かれます。資産基準は生計維持者が2人の場合、資産額が2000万未満であることが求められます。また生計維持者が1人の場合は資産額が1250万円未満である必要があります。

収入基準については世帯状況や年収によって変わるため、以下を参考にご確認頂くことをおすすめします。

引用:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/kakei_kyuhen/kakei.html

また注意点として、大学へ入学するまでの期間も給付をしてもらうための条件となります。高校卒業から大学入学までの間の期間が長いと給付対象にならないことがあるため、確認が必要です。さらに申し込みも、家計急変の出来事が起きてから3カ月以内に申し込みをする必要があります。

【貸与型奨学金】

貸与型奨学金は、「緊急採用」「応急採用」の2つに分かれます。緊急採用は通常の第一種奨学金と同様に無利子の貸与型奨学金です。また応急採用とは、通常の第二種奨学金と同様に有利子の貸与型奨学金です。緊急採用に関しても応急採用に関しても、家計急変の出来事が起きてから12カ月以内に申し込みをする必要があるため、必要な方は期間に注意をして申請をしましょう。

貸与型奨学金に関しても、学力基準と家計基準の双方を満たす必要があります。緊急採用と応急採用のそれぞれの基準については以下の通りとなっています。

■緊急採用

学力基準(1~4のいずれかを満たす必要あり):

1 成績が平均以上

2 特定の分野での資質が評価されていること

3 学修意欲が評価されており、学業修了見込みがあると判断されていること

4 特別な理由によって、学校長が認めたもの

家計基準(1もしくは2を満たす必要あり):

1 その後1年間の家計収入が、第一種奨学金の収入基準額内だと学校長から判断された者

2 家計急変の理由によって支出額が増大もしくは年収が著しく激減し、学校長が必要だと認めた者

■応急採用

学力基準:

学力などを考慮し、必要だと学校長が認めた者

家計基準(1もしくは2を満たす必要あり):

1 その後1年間の家計収入が、第二種奨学金の収入基準額内だと学校長から判断された者

2 家計急変の理由によって支出額が増大もしくは年収が著しく激減し、学校長が必要だと認めた者

緊急採用に関しても応用採用に関しても、家計急変時ではなく、通常時に申し込むときの基準よりは優しくなっています。救急措置として奨学金が借りやすくなっているため、積極的に利用することをおすすめします。

ただし、奨学金を受給している場合には同じ奨学金には申し込みができない点に注意が必要です。例えば既に第一種奨学金を受給している場合には、第二種奨学金にしか申し込みができないのです。

他にも留年中であれば受給できなかったり、外国籍の方は制限があったりすることもあるため、詳しくは学校に聞いてみるとよいでしょう。

コロナ禍の影響で奨学金が必要になったとき

最近では、猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響によって収入に打撃が出ているという方も多いでしょう。そのような状況を鑑みて、2020年以降ではコロナウイルスによる家計急変に対応すべく様々な支援金が用意されています。

こちらでは、支援金となる「学生支援緊急給付金」「緊急特別無利子貸与型奨学金」の2つを見ていきましょう。

■「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」

文部科学省が2020年5月に創設した、新型コロナウイルスの影響により修学が難しくなった学生支援のための制度です。新型コロナウイルスの影響によって、学生のアルバイト収入が激減したり、世帯収入に打撃を受けたりすることががあります。このままでは学校の中退を与儀なくされるような、学びを継続できない学生も出てきてしまうため、政府が支援のために「学生支援緊急給付金」を創設しました。

給付金額としては、住民税非課税世帯の場合は20万円、それ以外の世帯の場合は10万円となります。

支給までの流れは、以下のようになっています。

1提出書類を作成し、学生自身が各大学に申し込みを行う

2大学が日本学生支援機構に受給候補者リストを提出する

3日本学生支援機構から学生の本人名義の口座に振込される

また支給にも条件があります。家庭から自立して、アルバイト収入で学費を賄っている学生で、且つアルバイト収入が50%以上減ってしまった場合が基本条件です。しかし保護者からの仕送りが見込めないなど特別な事情がある場合も考慮されます。

自分が対象となっているかどうか、日本学生支援機構のホームページ、または各大学のホームページで確認してみましょう。

■「緊急特別無利子貸与型奨学金」

上記の「学生支援緊急給付金」と同じく、政府と日本学生支援機構が共同して提供をする支援金の一つです。

貸与の金額は、2万円から12万円までを自分で選択することが可能です。通常の貸与型奨学金と同様に、1万円刻みで貸与金額を選びます。

通常の無利子貸与型奨学金とは貸与の条件が少し変わり、緊急特別無利子貸与型奨学金の場合は以下の条件に全て当てはまる必要があります。

条件:

・アルバイト収入によって生活費や学費の多くを賄っていること

・アルバイト収入が50%以上減少していること

・家庭から多額の仕送りを得ていないこと

・推薦基準を満たしていること

・第二種奨学金(通常の有利子貸与型奨学金)を利用していないこと

詳しくは、日本学生支援機構のホームページ、または各大学のホームページでも確認することが可能です。

利子分は国が補填をすることで、学生は無利子でも奨学金を貸与してもらうことができます。お困りの方は活用をした方がよいでしょう。

まとめ

ご両親などの生計維持者が不の事態によって収入を維持できなくなってしまったときにも、きちんと救済措置があります。

通常であれば日本学生支援機構の奨学金は申し込みのタイミングが決まっていますが、緊急の場合は奨学金の申請を随時受け付けてくれます。また貸与条件も緩和されているため、利用しやすくなっているのです。

そのため困った方は、すぐに大学窓口で申請をするようにしましょう。しかし随時受付をしてくれるとはいっても、家計急変の出来事から一定期間を過ぎてしまうと支給条件から外れてしまうことには注意が必要です。

また最近ではコロナウイルスの蔓延により、アルバイトができず家計が苦しくなる学生が増えています。そのような状況を鑑みて、国や支援団体は未来の学生を救済するための制度を整えていっています。家計が厳しいからといって修学をあきらめず、様々な制度の力を借りましょう。

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