奨学金を無利子で借りるには?~条件と金額が知りたい!~

calendar_today 2021-09-29 update 2022-02-24
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これから進学をする学生で「奨学金を無利子で借りたい!」と思っている人は多いのではないでしょうか。実際に奨学金の種類には返済不要の奨学金や、無利子の奨学金、有利子だけど借りやすい奨学金など非常に多くの種類があり、一つずつ調べているととても時間がかかってしまいます。

本記事では日本学生支援機構が運営している奨学金の中でも返さなくても良い「給付型」の奨学金と、無利子で借りられる「貸与型」の奨学金の採用条件と借りられる金額の解説、さらに民間の奨学金のなかから無利子で借りられる奨学金をご紹介します。

各奨学金のメリットデメリットを含めて解説していますのでぜひ最後まで読んでみてください。

日本学生支援機構の奨学金の種類

奨学金の中で最も有名なのが日本学生支援機構(JASSO)です。日本学生支援機構が提供する奨学金は大きく分けて3種類あり、返済の必要がない「給付型奨学金制度」と返済の必要がある「貸与型奨学金制度」そして入学初年度のみ利用可能な「入学時特別増額貸与奨学金」です。

「貸与型奨学金制度」は一種と二種がありますのでそれぞれ分けて解説します。

給付型奨学金制度

2020年4月から対象学生数の増枠、支給金額のアップ、入学金や授業料の支給の追加など、支援内容がリニューアルされた給付型奨学金制度は経済的に進学することが難しく、特に優秀な成績を修めた数少ない学生が支援を受けることができます。こちらは大学卒業後の返済が不要なため、将来のお金の不安が残りません。

詳しい制度の解説はこちら「【奨学金の新制度】2020年からリニューアルされた日本学生支援機構の「給付型奨学金」とは?」でしているので、気になる方はチェックしてみてください。

貸与型第一種奨学金(無利子)

貸与型(返済必須)の奨学金。経済的に進学することが難しく、特に優秀な成績を修めた学生が対象となります。給付型よりも要件が緩いため、無利子という点で多くの学生が希望する奨学金です。

日本学生支援機構の奨学金の採用条件、給付額は?

給付型奨学金制度の採用条件、給付額

・学力基準

奨学金を受給するための学力基準は以下の通りです。

新制度になるまでは5段階評価で3.5以上を絶対にとっていないと申し込みができませんでしたが、2020年からの新制度になり、レポートの提出が基準として加わり、学力の評価が3.5未満の方でも申し込みが可能になりました。もしあなたが、つぎに紹介する家計基準を満たしているのであれば奨学金を借りる際には申し込みは必ずしておいたほうがよいでしょう。

以下の1.もしくは2.のいずれかに該当する必要があります。

1.高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること

2.将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学修意欲を有すること

※1専修学校の高等課程の生徒等は、これに準ずる学修成績となります。

※2学修意欲等の確認は、高等学校等において面談の実施又はレポートの提出等により行います。

引用:進学前(予約採用)の給付奨学金の学力基準

・家計基準

給付型奨学金制度の収入・所得の上限額の基準は3パターンに分類され、住民税非課税世帯である「第一区分」と、あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満である「第二区分」と、あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が25,600円以上51,300円未満である「第三区分」に分かれます。

それぞれの区分によって支給される金額が変わってくるので、自身の生計維持者と話し合ってみましょう。また、区分と支給金額の関係をわかりやすく図でまとめましたのでご紹介します。

参考:進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準

・支給額

支給される金額は進学する学校が「国公立なのか私立なのか」と「自宅通学なのか自宅外通学なのか」によって変わり、それぞれの支給額は下記の通りです。

【国公立の場合】

自宅通学:9,800〜29,200円(月額)

自宅外通学:22,300〜66,700円(月額)

【私立の場合】

自宅通学:12,800〜38,300円(月額)

自宅外通学:25,300〜75,800円(月額)

また家計基準でどの区分に該当するかにより支給される金額の上限が変わりますので、家計の収入を確認したうえで日本学生支援機構のホームページにある「進学資金シミュレーター」で確認してみましょう。

また奨学金とは別に給付型奨学制度では「入学金や授業料の免除・減額」もございます。国公立と私立(昼間)の「入学金・授業料」の減免の上限を下記の表でまとめましたのでご確認ください。

国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
大学 約28万円 約54万円 約26万円 約70万円
短期大学 約17万円 約39万円 約25万円 約62万円
高等専門学校 約8万円 約23万円 約13万円 約70万円
専門学校 約7万円 約17万円 約16万円 約59万円

参考:高等教育の修学支援新制度の周知用リーフレット

貸与型第一種奨学金の採用条件、給付額

・学力基準

奨学金を受給するための学力基準は以下の通りです。

その他細かい規定にについてはJASSOホームページから確認できます。

次の(1)または(2)のいずれかひとつに該当すること。

(1)高等学校等における申込時までの全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること。

ただし、上記の基準を満たさない場合であっても、生計維持者(原則父母。父母がいない場合は代わって生計を維持している人)の住民税が非課税(市町村民税所得割額が0円)である者、生活保護受給世帯である者または社会的養護を必要とする者(児童養護施設等入所者、里親による養育を受けている者等)であって、次のアまたはイのいずれかに該当する者は、第一種奨学金の学力基準を満たす者として取り扱うことができます。

ア.特定の分野において、特に優れた資質能力を有し、特に優れた学習成績を修める見込みがあること。

イ.学修に意欲があり、特に優れた学習成績を修める見込みがあること。

(2)高等学校卒業程度認定試験合格者であること。

引用:進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準

・家計基準

収入・所得の上限額は世帯の人数と給与所得と給与所得以外それぞれの金額により決ります。

その他の細かい規定にについてはJASSOホームページから確認できます。

世帯人数 給与所得 給与所得以外
3人 657万円 286万円
4人 747万円 349万円
5人 922万円 514万円

引用:進学前(予約採用)の第一種奨学金の家計基準

・支給額

第一種奨学金の支給額は「国公立なのか私立なのか」と「自宅通学なのか自宅外通学なのか」によって変わり、該当する範囲から借りたい金額を自分で選択することができます。下記の表に貸与額の選択肢をまとめましたので、参考にしてみてください。

国立 私立
自宅通学 自宅外通学 自宅通学 自宅外通学
4万5千円(月) 2万円・3万円・4万円・5万1千円(月) 5万4千円(月) 2万円・3万円・4万円・5万円・6万4千円(月)

民間の奨学金

民間企業が社会貢献などのために奨学金の貸与や給付を行っているところも多いです。給付額や対象者は企業によって様々なので、こちらも調べてみることがおすすめです。

例えばガクシーでも過去に紹介している「【返済不要の奨学金】電通育英会の奨学金の内容・選考方法を徹底解説」など民間でも返済の必要がない奨学金を運営している企業はたくさんあります。ガクシーのトップページの「条件から探す」から、給付:貸与の項目の中にある「もらえる奨学金(給付)」にチェックを入れて検索してみてください。きっとあなたに合った奨学金が見つかります。

例として3つ民間の奨学金を紹介しておきますので、こちらもご参考にしてください。

運営団体 種別 記事URL
電通育英会 給付型 こちら「【返済不要の奨学金】電通育英会の奨学金の内容・選考方法を徹底解説」
キーエンス財団 給付型 こちら「【返済不要の奨学金】キーエンス財団奨学金が2022年2月より募集開始予定!」
似鳥国際奨学財団 給付型 こちら「【返済不要の奨学金】似鳥国際奨学財団の奨学金が2021年7月より募集開始!」

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地方自治体の奨学金

役所や教育委員会に問い合わせることで、申し込むことができます。自治体によっては公式HPにて、自治体の奨学金の情報を載せていることもあるため、まずはホームページにて調べてみることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。無利子で借りられる奨学金は実は珍しくはなく、日本学生支援機構を含む公的な団体や、民間の奨学金でも非常に多くございます。ただ、紹介してきた通り、条件が良い奨学金はその分採用条件もハードルが高い傾向があります。併用が禁止されている奨学金もございますが、できるだけ返済の負担を軽くするために、しっかりと条件を確認したうえでできるだけたくさんの給付型奨学金に応募してみることをおすすめします。

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