奨学金のことを調べてみて、「JASSO」や「日本学生支援機構」というワードを目にしたことはありませんか。このワードが奨学金に関係していることはわかっても、それ以上のことはわからないという人も多いかもしれません。この記事では、JASSOこと日本学生支援機構が具体的にどんな目的でどんな事業を展開しているのか、その概要とともに最も大きな事業である奨学金事業についてご紹介します。
JASSOとは「Japan Student Services Organization」の略称であり、日本学生支援機構の英語での名称です。
日本学生支援機構は、日本人学生に奨学金を貸与する事業を行っていた日本育英会と、学生生活の調査などを行っていた国の機関、また、留学生への支援事業を行っていた日本国際教育協会、内外学生センター、国際学友会や関西国際学友会、これら全てが統合し設立された、文部科学省が管轄する独立行政法人です。
日本学生支援機構は、学生がいかなる場合にも安心して勉学に励むことが出来るように、必要とされるサービスを提供し、将来の社会を担う人材の育成に貢献することを目的としています。学生支援をする機関の中心的存在となって、統合前の各組織が行っていたそれぞれの事業を総合的に展開しているのです。
特に「JASSOの三事業」として掲げている
奨学金事業
留学生支援事業
学生生活支援事業
の三つの取り組みについては、以下でさらに詳しく解説します。
憲法、教育基本法に定める「教育の機会均等」の理念に基づき、経済的な理由で修学の困難な環境にある優れた学生等に対して、奨学金の貸与や給付を行う事業です。
ただ貸与や給付を行うだけでなく、学生の様々な要望に対応して、奨学金制度の充実や申請手続の改善をしたり、奨学金に関しての情報を発信したりと、奨学金に関する様々な支援を行っています。
グローバル化が進展する中で留学生交流を一層推進するために、外国人留学生の受入れと日本人留学生の派遣の両面から、留学生等に対する奨学金の給付や各種留学生交流プログラムの実施、日本留学試験などの入学手続の改善、留学についての情報を集め、その提供等を推進していく事業です。
各大学等が行う様々な学生生活支援活動に貢献するために、キャリア教育や就職支援、障害のある学生等への支援など、学生生活の支援にあたって有益な活動事例や情報の収集・分祈とともに、その提供を行う事業です。また、各種調査、研究等を通じ、大学等の取り組みや学生サービスの充実を支援しています。
ここからは、JASSOの活動の中でも中核を担う奨学金事業について、さらに詳しく解説していきます。
JASSOの運営する奨学金には、大きく分けて、「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」の二つがあります。さらに、「貸与型奨学金」は、無利子で借りることが出来る「第一種奨学金」と、有利子で借りる「第二種奨学金」とに分かれています。
給付型奨学金は、「経済面において極めて困難な環境にある」と認められた「特に優秀な学生」に対してのみ支給される、返還義務のない奨学金です。給付に際しては、学力、将来性、資質、健康面、家計事情等を基準にして、給付するのに相応しい学生かどうか、その判断がなされます。
貸与奨学金は、大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などの高等教育機関で勉学に励む学生を対象として貸し出される、返還義務のある奨学金です。このなかでも無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金に分けられます。どちらも選考において、「優れた学生」であり、かつ「修学が困難である」と判断された場合に貸与されるものです。
第一種奨学金は、「特に優秀な学生」で、「修学が極めて困難である」と判断された場合に貸与されます。
第二種に比べて、選考は厳しくなっていますが、昨今では第二種奨学金の貸与人数を減らして第一種奨学金の貸与人数を拡充するという傾向にあるため、経済的な悩みを持っている学生は利用を検討してみるとよいでしょう。さらに、第一種奨学金の中には、「返還免除制度」というものがあります。これは、在学中に特に優れた業績を挙げた場合に、奨学金の一部あるいは全部の返還を免除するという制度です。
また、第一種奨学金だけでは修学の維持が困難な場合には、第二種奨学金の貸与と併用して受けることが可能となっています。
第二種奨学金は、おそらく最も多くの人が利用しており、給付型奨学金や第一種奨学金と同じく学生本人の成績や経済状況などによって選考されますが、その選考基準はより緩やかなものとなっています。
大学等の通信教育課程に在籍する学生でも、スクーリング(面接授業)に出席するなどの要件を満たせば対象となります。
また、利率について、上限は年に3%で、在学している間は無利息であり、「利率固定方式」(市場金利の上下にかかわらず一定)と「利率見直し方式」(返還期間中、概ね5年以内に利率見直しがなされる)を、貸与者が自由に選択可能となっています。
JASSOの奨学金に申し込むタイミングはいくつかあり、
進学する前に申し込む「予約採用」
進学した後に申し込む「在学採用」
いつでも申し込める「緊急採用」
の3つがあります。
給付や貸与の期間は、申し込んだタイミングに関係なく、JASSOの認めた貸与開始時期から、在学する学校の終業時期までとなります。
例えば貸与型の予約採用なら、4~6月から貸与が開始されますが、金額は4月からの分が貸与されます。仮に5月に貸与が開始となる場合では、5月に4月と5月の計二か月分の金額が合わせて振り込まれることになるわけです。
また、貸与型の第二種採用者は、4~9月の中から貸与開始時期を指定することが出来ます。貸与型奨学金には返済義務がありますから、必要以上に借りたりしないように、7月から先の分だけを借りるなどの選択ができるのです。
それぞれのより詳しい申し込みの時期などについては、以下で解説していきます。
進学する前年の春または秋の年2回、在学している高校などの奨学金担当者に相談すると申し込むことが出来ます。進学先がまだ決まっていない段階でも申し込めます。
毎年春の年1回、在学中の学校にある奨学金窓口などに相談することで申し込むことが出来ます。予約採用の段階で不採用になっていた場合でも、再度の申し込みが可能です。
JASSOとは、日本学生支援機構の別名であり、学生を支援するための様々な活動を行う、多くの学生にとって必要不可欠な存在です。社会に貢献するインフラ事業を提供していると言ってもいいでしょう。
なかでも奨学金事業においては、その中心的存在となり、信頼性も相応に高い組織です。
JASSOの奨学金事業や、それ以外の事業についてもっと詳しく知りたい方は、「独立行政法人 日本学生支
援機構 JASSO」のサイトも併せてご覧ください。
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